VRMアバター受付の作り方|必要な機材とアプリ選びの基準

この記事でわかること
- 必要な機材はWindows PC+モニター、Mac、Windowsサイネージ端末のいずれか1台。専用のキオスク端末は要らない
- 作り方は自作・既製アプリ・専用開発の3通り。自社の資料で答えさせる、会話ログを残すといった運用の要件は、専用開発で決める範囲になることが多い
- 選ぶ基準は、よくある質問への自動応答・多言語対応・自社資料の読み込み・会話ログの確認の4点
VRMアバター受付とは
VRMアバター受付とは、3DキャラクターがAIで来訪者に応対する無人受付の仕組みです。VRMは3Dアバター用のファイル形式で、VRoid Studioのような無料のツールを使えば、専門知識がなくてもオリジナルのアバターを作れます。
受付・案内の業務を、キャラクターの親しみやすさを保ったまま自動化できるのが特徴です。観光施設、小売店、クリニック、オフィスの来客対応などで使われています。
なぜ今、受付の自動化なのか|人手不足と多言語対応
60.0%
人手不足と回答した中小企業の割合(日本商工会議所、2026年7〜8月調査)
日本商工会議所の調査(2026年7月21日〜8月21日)では、人手不足と回答した企業は6割(60.0%)にのぼりました(日本商工会議所)。帝国データバンクの調査(2026年4月)でも、正社員が不足している企業は50.6%です(帝国データバンク)。受付のためだけに人を置き続けることが、難しくなっています。
訪日客への対応も課題です。観光庁のアンケート(令和7年度、4,110件)では、旅行中に困ったこととして「施設等のスタッフとのコミュニケーション」が15.4%、「多言語表示の少なさ・わかりにくさ」が10.9%挙がりました(観光庁)。多言語で応対できる受付は、この2つに同時に効きます。
必要な機材はPC・Mac・サイネージの3パターン
専用の機器は要りません。図のとおり、(1) Windows PCとモニター、(2) Mac本体、(3) ディスプレイ一体型のWindowsサイネージ端末、のいずれか1台があれば構築できます。高価な業務用キオスク端末を新たに買わなくても、いま手元にある機材で始められます。
マイクは、音声を拾える環境なら外付けでも内蔵でもかまいません。聞き取りにくい場合は外付けマイクへの切り替えが有効です。周囲の音が大きい場所では、マイクの代わりに画面のボタンで質問を選んでもらう運用にすると安定します。
自作・既製アプリ・専用開発、どれを選ぶか
自作する場合は、UnityやWebブラウザ上でVRMを表示し、音声認識・AI応答・音声合成・リップシンクを個別に組み合わせて実装します。自由度は高い一方、開発とAPI運用のコストがかかり、来客対応中に止まらないための作り込みも必要です。
既製アプリなら、インストールと初期設定だけで動きを確かめられます。ただし、自社の資料で答えさせる、会話ログを残す、端末を受付専用に固定するといった運用の要件は、製品の標準の範囲を超えることがあります。その部分を要件に合わせて作るのが専用開発です。
| 比較項目 | 自作(Unity / Web実装) | 既製アプリ | 専用開発 |
|---|---|---|---|
| 費用 | 開発工数(自分または外注) | デモ版・無料版がある製品も | 個別見積 |
| 動き出すまで | 数週間〜数か月 | 当日 | 目安2〜8週 |
| 自社資料での回答 | 仕組みから自前で実装 | 製品による | 要件に含めて実装 |
| キャラクター・画面 | 自由 | 標準のまま | 自社専用に制作 |
| 保守・安定運用 | 自分で作り込む | アプリ側 | 開発者(保守契約も可) |
導入前に確認しておきたいポイント
運用は、図のように「その場でスタッフを呼び出す」のではなく、問い合わせフォーム・公式LINE・予約ページなど既存の導線へ案内し、必要な問い合わせだけをスタッフが後から追う設計にすると、常駐を前提にせず小さく始められます。
仕組みを選ぶ基準は次の4点です。
- よくある質問に自動で答えられるか
- 施設案内や多言語での応対ができるか
- 自社のFAQ・パンフレットなどの資料を読み込ませられるか
- 会話ログを後から確認し、回答を改善できるか
先にやっておくと効くこと
既存のFAQやパンフレットの内容を整理しておくと、導入初日から回答の精度を上げやすくなります。
VRMアバター受付が向いている業種・シーン
観光施設や商業施設では、多言語での道案内やよくある質問への応答に使えます。小売店では、商品説明や営業時間の案内といった定型の問い合わせをアバターが引き受け、スタッフは接客や品出しに集中できます。
クリニックやオフィスの受付では、来訪目的の聞き取りや手順の案内を任せられます。イベント会場では、会場マップやタイムテーブルの案内役として、スタッフを置きにくいエリアをカバーできます。
アヴィネージで作る場合
アヴィネージ(Avignage)は、VRMアバターによるAI受付・接客を、手元のPCやサイネージ1台で動かすサービスです。申請制のデモ版(無料)で、同梱のキャラクターと標準の画面のまま、音声対話・ボタンでの案内・多言語の動きを先に確かめられます。
自社専用のキャラクターや画面、自社資料での回答(RAG)、受付専用端末としての固定(キオスク運用)、会話ログの活用、完全オフライン構成などは、専用開発で作ります。費用は個別見積で、相談は無料、月額のサービス利用料はありません。
参考資料・出典
- 多様な人材の活躍等に関する調査(日本商工会議所、2026年9月15日発表)
- 人手不足に対する企業の動向調査(2026年4月)(帝国データバンク、2026年5月19日発表)
- 訪日外国人旅行者の受入環境整備に関するアンケート(令和7年度)(観光庁、2026年4月28日発表)
よくある質問
導入に専用のキオスク端末は必要ですか?
不要です。Windows PC+モニター、Mac、Windowsサイネージ端末のいずれか1台があれば構築できます。マイクは内蔵・外付けのどちらでもかまいません。
自作と既製アプリ、どちらが安く済みますか?
導入時の費用は、既製アプリのほうが低く済むことが多いです。自作はカスタマイズの自由度が高い分、開発と運用のコストが継続してかかります。
オフライン環境でも使えますか?
AIの応答は通常、インターネット経由でAI各社のAPIを使います。アヴィネージでは、完全オフラインの構成は専用開発の範囲で対応しています。
会話の内容は後から確認できますか?
会話ログを確認できる仕組みを選ぶと、回答の見直しや改善に使えます。アヴィネージでは、会話ログの活用は専用開発の範囲です(デモ版には含まれません)。

